ひょんなことから、2015年にエジプト人の大学生、モハメドと知り合いました。
あまりのお互いの生活習慣、主義、考え方の違いに話が弾んで、ケンカも繰り返しながら2年がたちます。
彼は世界を見たいと切望していた念願がかなって、2017年9月から、フルスカラシップで中国の成都に留学が決定し、わたしは、お祝い品をわたすこともかねて人生初、中国本土に足を踏み入れました。
義理堅く暖かいモハメド、こんな息子が欲しいな
実は、モハメドと実際に会うのは初めてでした。
2015年にエジプトに行ったときは、彼には会ってはいなかったのです。
留学がスタートして一週間足らず、何かと物入りのはず、生活費も言語(中国語)もままならないはずなのに、「マリさんは大切な友人だから」と、なんと空港まで迎えに来てくれました。
「ホテルまで送るから、僕に全てをまかせてね。」との言葉通り、わたしの分の地下鉄代も全部だしてくれる義理堅いモハメドです。
と言いつつも、本人も成都に来て間もない上に、中国はGoogleマップが使えないため、途中、道を間違えたりしましたが…。
(中国は SNSが全て使えないことは有名ですが、Google関連のものは一切使えないです。Googleマップ、Gmail、Googleカレンダー、YouTubeも全滅でした。)
エレベーターもエスカレーターもない地下鉄の駅のときは、軽々とわたしのスーツケースを抱えて、階段を二段跳びしていく彼を見て、二十歳そこそこの若さが羨ましくなるとともに、こんな息子がいたらなぁと思ってしまうのでした。
頼りになるボディガードのモハメド
成都には5人ほどしかエジプト人はいないということで、アラブ系の顔立ち全開のモハメドと、イタリアンレッドのジャケットにクラッシュの入ったジーンズを履きカラーリングした髪のわたし、この二人組は、異様に目立ちました。
言いがかりをつけてくる中国人の男性もいましたが、彼は覚えたての中国語で静かに、でもキッパリとはねのけるのでした。
頼りになる!
後から「彼がなんて言ったのかわかってたの?」と聞いたら、ニヤリと笑って「分からないよ、ただ要らない、NOと言っただけ」、モハメドは適応能力が高い。
言葉が不自由でも、臆せず人に聞く姿勢に感動する
わたしをホテルに送る途中で道を間違えたとき、地下鉄で乗り換えの出口が分からないときなど、彼は、どうみても英語か通じそうもない相手にも話しかけ、わかってもらえない時も図を描いたりして、粘り強く、臆せず聞きます。
その姿勢には、感動と尊敬を覚えました。
ときどきモハメドの思慮深い言葉に、兄のような存在に思えるときが今までもありましたが、今回は人格って年齢は関係ないなは改めて感じさせられました。
「モハメド、わたしの兄みたいに時々感じるけど」
「マリさんのことは、時々、妹みたいに感じるよ」、本当か!、自分の娘より年が若いのに。
それから、どきっとした彼の一言。
「中国の人って、一つの言葉しか話さないんだね。僕は英語、フランス語、スペイン語で話しかけてみても、どれも通じないんだ」、としょぼくれる。
「モハメド、日本も同じなのよ〜」、と言いそびれてしまったわたしでした。
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