2015年10月、わたしはFacebookで知り合った友人に実際に会うために、地中海に面した街エジプトのアレクサンドリアを訪れました。
当時のわたしは、イスラム文化圏に関する知識は事前にネットで調べた程度。
今思うと、友人たちの助けがなければトラブルなしでは帰国できなかったかもしれません。
現地についてタクシーに乗ろうとして、ネットの情報と違って米ドルもクレジットカードも使えないと知って途方にくれたことがアレクサンドリアでの旅の始まりでした。
その時なんとかしのげたのは、日本のエジプト人の友人が手配してくれたタクシーだったからです。
(2016年にアレクサンドリアもUberが使えるようになったので、こういう心配はほとんどなくなっています。)
空港に到着して驚く、女性は自分だけ?
当時のわたしは海外旅行は米国しか経験がなく、そして初のアラブ圏。
国際空港とは思えない小さな空港の入国審査の列に並んだとき、女性が自分一人だけのことに気がつきました。
回りは明らかに観光客ではないアラブ系の男性だけ。
異様に悪目立ちしていることヒシヒシと感じたのでした。
たまさか出張できていた東京工業大学の方がわたしを見ていてくださったようで、話しかけてきて名刺を渡して「何か困った事態になったら私に電話しなさい」と言ってくれました。
なんだかエライところに来てしまったのかもしれないというのが、そのときの正直な感想でした。
人情に厚いエジプトの友人
Facebookで友達になったのは、現地の陽気な大学生たち。
あれこれ聞いてもえらく楽観的な情報しかなく、またネットの情報もツアー観光客でそれもカイロの情報がほとんど。
さすがにちょっとマズイのではと不安になって、当時はコペンハーゲンへ留学中で、ちょうど日本へ帰国の途についていたエジプト人の友達に相談したのでした。
おそらくは彼は羽田空港に着くなりわたしからのメッセージを受け取ったはずですが、迷惑そうなようすなど少しも感じさせずにどうしたのかと聞いて来ました。
「ハイ、マリ。どうしたの?」
「 アレクサンドリアのに行くんだけど…、注意すべき点とか教えてくれる?」
「で、いつ行くの?」
「あした…、なんだけど…」
「え!あした? 」
と絶句する友人でしたが、夕方だったにもかかわらずすぐに現地の彼の知り合いで、英語も日本語の堪能な美しいエジプト女性にわたしのアテンドを頼んでくれました。
当時のわたしはイスラムの世界は夫婦以外は、男女別々なことも知りませんでした。
と、こういう経緯でタクシーも拝み倒して米ドルで走ってもらいました。
アクロバティックな運転に肝を冷やしながら、初のアフリカ大陸に興奮していました。
というところで、長くなったので続きは次回に。
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