ある時、高齢の(90歳すぎ)の父から電話がかかって来ました。(2018年11月あたり)
母が、特に夜眠る前に寂しがるから、電話をかけてくれないかというものでした。
二つ返事引き受けましたが、それは、それまで必死に前だけを見て生きてきた自分が、久しぶりに過去の思い出を紐解く作業になりました。
そうしているうちに、過去に帰りたくなってしまったりして、そんな自分をもてあましてしまっています。
きっかけは、母の好きな歌を思い出したとこから
私の母は、認知症です。
初めの頃は、私が幼い時に歌ってくれた子守唄や、母がよく歌っていたオペラの歌などの話をしてみました。
母は、認知証とは思えないほどよく覚えていて、記憶の不思議さは、私を驚かせたのですが。
もっと歌詞をきちんと調べておこうと、Googleで検索すると、母は、堀内敬三や北原白秋などの美文調の歌詞が好きだったことがわかりました。(リンクは、ウィキペディアです。)
すると、若かったころの母の感性が、どっと自分に流れ込んできて、付随して色々な記憶がこちらも蘇ってきて,懐かしさに胸が苦しくなって涙が止まらなくなるのです。
自分が昔住んでいた家を、Googleマップのストリートビューで見だすと、止まらなくなる
今、私の両親が住んでいる家は、父が晩年に建てたものなので、その場所も家も、私の幼いころの思い出はありません。
母と昔話をすると、必然、小学校から高校のころに住んでいた家の話になります。
するとまた懐かしさで、昔住んでいた家のあった場所をGoogleマップで探し出し、ストリートビューで、見てしましまうのです。
家はもうなくても、川場沿いの並木道や、通学で渡った橋などは当時と変わりなく、久しく帰っていない、なかなか行く機会を得ることもできないその場所…。
ストリートビューを使って、行きつ戻りつ、屈託のない当時の自分に思いを馳せてしまうという、正直、なんとも生産性のないことで、時間使ってしまう自分です。
母と話す過去への旅は、戻って来るのに苦労する
両親にとって、初めての子供だった私は、親の気合の入れようも半端なく、その分記憶に鮮明に残っている思い出も多く、リアルに映像を思い浮かべらることが、裏目に出てしまうことが多々ありでして。
母と話は弾むのですが、あまりにも入り込んでしまい、昔が懐かしくなって、電話を切った後も、悲しくて、立ち直るのに時間がかかり、気持ちを今に戻すのに苦労するのです。
自分自身、今、プライベートで辛い時期なので、そのせいもあると思うのですが、心の切り替えを上手にする方法を、模索中です。
親との会話で、こんな精神状態になるとは予想だにしませんでした。
でも、話しているときは、懐かしさで胸が締めつけられる時もありますが、優しくて、温かい時間で、私は子供に帰ることができるのです。
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